アウトドア・レジャーとしての砂金採り

私が川で砂金を採ることを趣味としてからすでに15年以上の歳月が経過しています。

砂金採りというレジャーを私がここまで長く続けてきたのは、単に砂金を採ることが楽しいということもありますが、それ以上にそこには多くのメリットがあるからなのです。

今回は、私自身の経験から感じてきた砂金採りのメリットとその注意点についてご紹介していくことにしましょう。

砂金採りの特徴とメリット

まず、当たり前のことですが、砂金採りでは金という稀少な貴金属を手に入れられるということがもっとも大きなメリットになるといえます。

その一方で、川で砂金を採るためにはかなりの肉体労働がともなうという側面もあります。

たとえば、砂金が含まれた土砂を集めるためには重たい岩石を動かすことも必要ですし、そのようにして集めた土砂を水で洗ったりパンニング皿を使って選別したりするのは基本的にすべて人力の作業となるため、自分の身体をかなり使うことになります。

人によってはこの点がデメリットに感じられるかもしれませんが、私自身としては砂金採りを行うことで運動不足の解消につながるため、それをメリットとして捉えています。

また、夏の時期などになると熱中症などが取り沙汰されますが、川で砂金を採る際には常に川の水に触れていますので、たとえ真夏に身体を動かしてもそのような熱中症の心配がほとんどないことが利点として挙げられます。

さらに、砂金採りはアウトドアレジャーと相性が良いというメリットも存在しています。

私自身がこれまで実際に経験してきたこととして、砂金を採集することだけを目的に川に行ってしまうと無事に砂金が採れた場合は良いものの、逆に砂金が採れなかったときにはその徒労感だけが募るということに陥りがちです。

そのため、川に関連するアウトドアのレジャー、たとえば、魚釣りやキャンプ、バーベキュー、あるいは砂金以外の鉱物や化石の採集といったものと組み合わせることで、たとえ砂金が採れなかったとしても他の楽しみがあるためにそこまでの期待はずれな印象を抱かずに済むというところがあります。



砂金採りを他のアウトドア・レジャーと組み合わせる

そもそも、砂金採りそのものは身体を動かすことが多く休憩も必要なものですので、疲れたときには魚釣りをしてみたりバーベキューで食事をしたり、砂金採りの帰りがけに日帰り温泉に寄って汗を洗い流してから帰宅するなど、砂金採り以外でも楽しみとなる活動を一緒にやってしまうことが砂金採りという趣味を長続きさせるための秘訣だといえます。

他にも、砂金はかなり細かい粒ですので、それを扱う際には手先を使った精密な作業が求められます。

近年、認知症なども社会的な問題になってきていますが、砂金採りでは自然とこのように身体や手先を使うことになるため、認知機能の維持やその予防にも役立てられるといえるでしょう。

砂金採りで気をつけるべきポイント

逆に、これまで私自身が砂金採りに取り組んできて気をつける必要があると感じたポイントについては、以下のようなものが挙げられます。

まず、川で砂金を採るためには当然ながら河川に入ることになりますので、その場所の周囲の人びとの迷惑にならないよう注意を払う必要があります。

ただ、この点については砂金採りに限った話ではなく、魚釣りやバーベキュー、キャンプなどその他のアウトドア・レジャーにおいても共通した最低限のマナーとして求められるところだといえます。

特に、渓流釣りを行う場合には漁業権といった要件も関わってきますので、社会的なルールにしたがった行動をする必要があります。

なお、こと砂金採りというレジャーに限っていえば、砂金がよく取れる場所、いわゆる砂金の「寄せ場」の情報を安易に明らかにすることは、その場所に多くの人が集まってしまうことになるため、そのような情報についてはそもそも公表しないという暗黙の了解のようなものがあります。

次に、砂金採りでは川の中に入っていきますので、砂金採りのための道具以外にもそれ相応の準備というものが必要となります。

たとえば、川の中や岩盤の上を歩くときには滑らないようにゴム長靴は必須ですし、岩石や土砂を集めるためのゴム手袋や直射日光を受けないための帽子についても準備した方がよいでしょう。


ゴム長靴・ゴム手袋・帽子

特に、夏の時期には蚊などの虫も多く発生していますので、それに刺されないような虫除けスプレーなどがあると安心です。

その他、私自身は真夏においてもある程度快適に作業ができるように、「アンダーアーマー」や「SKINS」(スキンズ)などのアンダーウェアを着て汗をかいてもそれを蒸散させるような工夫も取り入れています。

なお、砂金採りはどちらかといえば夏に向いたレジャーで、冬の時期に行うことも可能ですが、冷たい川の中に入ると寒さであまり作業が続かないために、私自身としてはあまりオススメはしていません。

以上のように、砂金採りはレジャーとして取り組むことができますが、足場が悪い川の中や岩の上、場合によっては砂金のポイントのある川まで山の中を歩くこともあるため、その道中で滑って転んで骨折したり岩に頭をぶつけたりする危険性も常にあることはしっかりと認識しておいて欲しいところです。

レジャーは楽しみながら取り組むもの

これは私自身の経験でもあるのですが、砂金採りが上達してくると本当に砂金を採集することだけを追い求めて動くことになりがちです。

ただ、たとえ趣味であったとしても、それが限度を超えてくるといろいろと無理なところが出てくるようになります。

たとえば、雨が降って川が増水しているのに砂金を採ろうとしたり、そもそも時間的な余裕もないのにタイトなスケジュールで動こうとしたりといったようなことです。

砂金採りは身体を使うことをしていますので、そこにさらに心身の疲れを強いるようなことをすると不注意や油断などが生じて事故や怪我などにつながるおそれも出てきます。

そのようなことにならないためにも、あえて他のアウトドア・レジャーを意識しながら休憩をはさむといった工夫を取り入れることが、無理なく砂金採りを続けていくためのコツになってくるわけです。