管理者プロフィール

板村 英明
Hideaki ITAMURA
1950年 山口県 下松市生まれ
1974年 香川大学 教育学部 特設理科地学科 卒業
1975年 香川大学 教育学部 理科専攻科地学科 修了
兵庫県立 篠山産業高等学校(物理・化学) 教諭
1980年 兵庫県立 三木東高等学校(地学) 教諭
1992年 兵庫県立 加古川東高等学校(地学) 教諭
2004年 兵庫県立 姫路東高等学校(地学) 教諭
2015年 兵庫県立 姫路東高等学校 退職
2016年 兵庫県立 姫路東高等学校(非常勤講師)
板村地質研究所 設立

「地学」――安全な生活を送るための知恵

はじめまして。当サイトの管理者で板村地質研究所所長の板村英明です。

私はこれまで高等学校で理科の科目のひとつ「地学」を40年以上にわたって専門として教えてきました。

私たちの身の回りにはさまざまな自然現象で満ち溢れています。

太陽は東の空から昇り、西の空に沈んでいきます。

雲のない晴れの日もあれば雲が集まって雨が降り、その雲は風に吹かれて空を漂います。

気温が高くなって暑くなる季節もあれば、逆に気温が下がって寒くなる季節もあります。

いずれも私たちが誰もが当たり前に経験している自然現象ですが、それらは私たちの日々の生活に密接に関わっており、ときには台風や地震などの災害という形で私たちの社会や人生に大きな影響を与えることもあります。

このような自然現象を理解し、私たちが安全に生活するために必要となる知識の集大成がまさに地学なのです。

事実、私たちの社会が異常気象や災害などの出来事に直面するたびに、それを回避するための知恵として地学的な知識が求められて実際に活用されています。

つまり、私たちが生活を安全に過ごしていくためには、地学的な知識をあらかじめ習得しておくことが必要不可欠だといえるのです。

「地学」を学ぶ意義

しかし、この地学という科目は、今後、日本で学ぶ人が少なくなることが予見されています。

というのも、現在の高等学校では、この地学を私のように専門科目として教える人が少なくなってきているからです。

そのため、今後の日本において地学を学ぶためには、よほど積極的に学ぼうとしないとその知識を得ることができないということになるのです。

では、地学的な知識を学ばないことに何かの不都合が出てくるのでしょうか?

それを象徴的にあらわした事例として、2011年3月11日に東北地方で発生した東日本大震災が挙げられます。

震災では地震のあとに発生した津波によって、非常にたくさんの人名が失われました。

一昔前の私たちの常識では、「地震が起こったときには津波が発生するので、できるだけ早く高い場所に避難する」ということがほとんど当たり前のように共有されていました。

しかし、とある小学校では校庭に生徒が避難・待機したまま逃げ遅れ、そのまま津波に流されてしまったということがありました。

また、ある高さ以下の場所に家屋を作ってはならないという昔からの警告があるにもかかわらず、そのような警句が年月を経て失われてしまい、津波の被害に巻き込まれたという事例もありました。

つまり、地学を学ぶことは、私たちの今ある生活や社会がどのような環境の上に成り立っているのかを本質的・物理的な意味で教えてくれることにつながり、それはそのまま「今、ここにいる私たちが今後どのように生きるべきなのか」を探るための指針となるのです。

当サイトでは、みなさんの生活や人生をより豊かに、そしてその安全を守るためのきっかけとして「地学」を取り上げ、これまでの私の教師生活で得てきた地学に関するさまざまな発見や情報を発信しています。