砂金を採る!

みなさんは、日本の川で砂金が採れることをご存知でしょうか。

かの『東方見聞録』で有名なマルコ・ポーロは、日本を「黄金の国ジパング」としてヨーロッパに紹介しました。

現代の日本に生きる私たちからすると、この黄金の国というのはいささか誇張された表現だと感じられます。

しかし、実は日本の河川では砂金を採集することができ、現在の日本はいまだに黄金の国ジパングとして存在しているのです!

このページでは、私が実際に経験・実践している砂金の採り方についてご紹介していきましょう。

もしかしたらあなたも、現代のトレジャーハンターになれるかもしれません。

川で砂金が採れる理由

日本の川で砂金が採れるとはいったものの、闇雲に川を探したところでそう簡単に砂金が出てきてくれるわけではありません。

砂金を採るためには、まず、金というものの性質を知る必要があります。

そもそも金がどこにあるかというと、金は山や大地の岩石の中、より正確には地層にある金の鉱脈の中に含まれています。

この山や大地は長い年月をかけて雨によって削られ、川の水とともに下流の方に流れていきます。

このとき、岩石に含まれている小さな金の粒子も土や砂と一緒になって川の下流の方に流されていくのです。

さて、この金という物質の化学的性質として、あらゆる元素の中でもっとも比重が大きいということが挙げられます。

これは簡単にいえば、金はとても重い金属で、水や岩石、土砂や泥などよりも深いところに沈み込む性質があるということです。

つまり、山から流されてきた金の粒子は川底のもっとも深いところ、具体的には川底にある岩盤の割れ目などに沈み込んでおり、そこに含まれる土砂を探せば、その中に砂金が眠っているといえるのです。

砂金が採集できるポイント

では、川で砂金がありそうな場所についてご紹介していきましょう。

まず、川で砂金を探す上で注目すべきポイントは、金を含む土砂が溜まっていそうな場所になります。

具体的には、蛇行した川の「内側」になります。

たとえば、上図では川の水が奥から手前側に向かって流れてきていますが、川の外側は水の流れが速い「攻撃面」といって土砂などが次々に流されていってしまうところになります。

逆に、図中の赤い丸で囲った川の内側には土砂が堆積しており、このような部分の岩盤の隙間や草の根の土砂には砂金が集まってくるため、それを集めて選別することで砂金を見つけることができるのです。

実際のフィールドで砂金が含まれているポイントを判断する方法について動画で解説をしておりますので、ご覧ください。


川で砂金のポイントを見つける(1)
(画像をクリックで動画を再生)

川で砂金のポイントを見つける(2)
(画像をクリックで動画を再生)

川で砂金のポイントを見つける(3)
(画像をクリックで動画を再生)

なお、日本ではどの河川の土砂でも砂金を含んでいるのですが、より効率的にそれを探し出すための手がかりとして「鉱山」の存在があります。

日本にはかつて大小さまざまな金、銀、銅を採掘していた鉱山がありました。

その下流の河川の土砂には砂金が含まれている可能性がより高くなります。

そのため、鉱山の場所を手がかりとして河川を探してみると、無駄なく砂金を採取することが可能になります。

砂金採集のための道具

砂金を効率的に採るためには、専用の道具があると大変便利です。

ここでは、私が実際に使用している砂金の採取道具をご紹介しましょう。

パンニング皿

まずは、砂金を採るときの必須アイテムとなる「パンニング皿」です。

これは砂金を含む土砂の中から砂金だけを選り分けるために使用します。




パンニング皿

パンニング皿にはいろいろな形と種類があるのですが、実はこの使い方にはかなりの熟練が必要で、せっかく金を含む土砂を集めてもパンニング皿で選別しているときに誤って金を流してしまうことがよくあります。

個人的には一番下の四角いものが確実に金をこぼさずに選り分けることができるため、初心者の方にはこちらをおすすめしています。


角型パンニング皿の使い方
(画像をクリックで動画を再生)

なお、この四角い角型のパンニング皿は一度使ってしまうと通常の丸型パンニング皿に戻れないくらいとても使いやすいのですが、日本での取り扱いがほとんどないため本サイトで販売することにしました。

詳細は、こちらの「四角いパンニング皿の販売」のページにて紹介をしておりますので、お求めの際にはこちらをご参照ください。

スコップ、シャベル類

砂金を採るためには、砂金を含む土砂を集める必要があります。

スコップやシャベル、カッチャなどは土砂を掘り起こすために使用します。


スコップ、シャベル、バール、カッチャなど

また、砂金は岩石の溝の底にある土砂に含まれているため、その隙間をこじ開ける際にはバールを使います。

水切りザル

水切りザルは、集めた土砂を大まかに選別するときに使っています。

100円ショップで販売しているもので特に問題ありません。


水切りザル

使い方としては、右のカゴの中にあらかじめ水を張っておき、左のカゴを上に乗せて川底から採取した土砂を入れて揺らして水の中に細かい土砂を落としていきます。

水の中に残った土砂の中には砂金が含まれていますので、この土砂をパンニング皿に入れて砂金を探していきます。

スルースボックス

この「スルースボックス」は、砂金を採取するための専門の道具になります(海外製)。


スルースボックス

このスルースボックスをあらかじめ川の水の中に沈めた状態で右の方から砂金を含む土砂を流し込むと、水の流れに沿って砂金や重たい鉱物だけが途中の金属に引っかかって落ちていくしくみになっています。

パンニング皿よりも大がかりになりますが、より効率的に土砂と砂金を選別するのに役立ちます。

砂金を採集する方法

川で砂金を採るためには、砂金を含む土砂を集めてそれを選別することが必要です。

まず、川の基盤岩の底にある土砂や、そこに生えている植物の根っこにある土砂を掘り起こしながら集めていきます。

以下、それらの具体的な方法について、動画で解説をしています。


砂金を含む土砂を集める(1)
(画像をクリックで動画を再生)

砂金を含む土砂を集める(2)
(画像をクリックで動画を再生)

砂金を含む土砂を集める(3)
(画像をクリックで動画を再生)

以上のようにして集めた土砂や岩石をまずは水切りカゴに入れ、岩石についた岩や泥を水で洗い流してその土砂を集めていきます。

土砂を落とした岩石についてはここで取り除きます。


砂金を含む土砂を洗う
(画像をクリックで動画を再生)

次に、水切りカゴに集めた土砂をパンニング皿に入れ、水中で揺さぶりながらパンニング皿の段差にひっかける要領で砂金と土砂を細かく分類していきます。


パンニング皿で砂金と土砂を分類する
(画像をクリックで動画を再生)

川で見つけた砂金
(画像をクリックで動画を再生)

このときは非常に小粒ではありますが、小さな砂金を2つ取ることができました。

以上のように、日本の河川では適切な場所を選ぶことで砂金を採集することができるのです。

砂金の実習教室のご案内

初心者のみなさんに向けて砂金の採り方についてのより詳しい情報をこちらの「目指せ! 砂金ハンター」の特設ページでご紹介していますので、これから砂金採りにチャレンジしたいみなさんはぜひともご覧ください。

また、当研究所では、川で砂金を採る方法に関する実習教室を随時開催しています。

砂金の採り方についてご興味のある方や実習教室の開催をご希望の方は、こちらのお問い合わせフォームからご連絡ください。