砂金採り用のパンニング皿のレビュー集
砂金採りをする上で切っても切り離せない道具といえば、パンニング皿だといえるでしょう。
このパンニング皿にはいろいろな種類があリ、私も砂金採りを始めてからこれまでに数多くのパンニング皿を使用してきました。
今回は、私の所有しているパンニング皿をいくつかご紹介しながら、それぞれのレビューをしていきましょう。
パンニング皿の種類とその特長
ひと口にパンニング皿といっても、そこにはさまざまな大きさや構造というものがあります。
私が持っているパンニング皿を並べてみると、以下の写真のようになります。
いろいろな種類と形のパンニング皿
ここでは9つのパンニング皿が映っていますが、これでも数多く存在しているパンニング皿のほんの一部にしか過ぎません。
見て頂いたら分かるように、砂金採りのパンニング皿の形状としては円形が一般的ですが、中には四角のものや六角形のものも存在しています。
以下、それぞれのパンニング皿を取り上げて、その特長などについてご紹介していきましょう。
円形のパンニング皿
これは私が砂金採りを始めたときに最初に購入したパンニング皿になります。
海外から輸入したもので、パンニング皿の底には矢印が刻まれていますが、この部分に砂金が溜まるしくみになっています。
砂金採り用の代表的なパンニング皿
砂金採りでもっともよく使われている代表的なパンニング皿といえばこのようなものになります。
みなさんも砂金採りにチャレンジされる場合には、まずはこのオーソドックスなパンニング皿を使うことから始めてみるとよいでしょう。
青い色のパンニング皿
パンニング皿といえば黒色のものが一般的ですが、それ以外にもさまざまな色が存在していて、これは青い色のパンニング皿になります。
一般的に、砂金は曇り空のような比較的暗いところでは見えづらくなるという特徴があるのですが、この青い色をしたパンニング皿だとそのようなときにも砂金を見つけやすいところがメリットとなります。
そのため、私が室内で砂金を選り分けるときには、この青色のパンニング皿を使用しています。
円形・小型のパンニング皿
通常のパンニング皿に比べて小型のもので、持ち運びに便利という特長があります。
ただし、パンニング皿のサイズが小さいために、その分だけ処理できる土砂の量が少なくなることがデメリットになるといえます。
波型の模様がある「ターボパン」
これは「ターボパン」といわれるパンニング皿です。
山梨県身延町にある「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」では定期的に「砂金掘り選手権大会」という砂金採りのイベントが開かれているのですが、私がそこに出場するときに友人から土砂をすばやく処理できるという触れ込みを聞いて購入したものになります。
一般的なパンニング皿と違い、中央部に向かってリッフル(波模様の段差)が設けられています。
これによって、土砂を処理したときに中央の部分に砂金が集まるようなしくみになっています。
手前に深い溝が設けられたパンニング皿
通常のパンニング皿の手前に深い溝が刻まれているものになります。
この溝が何の役に立つのかですが、この部分から土砂を次々に追加していきながらそれを順次選り分ける作業を連続してできるようなしくみになっています。
パンニング皿にあるこの溝を使えば効率的に土砂を処理できるのですが、手前側の溝に溜まった重鉱物を最後に取り出そうとするときに、それがなかなか取り出しにくいというデメリットも存在しています。
六角形をしたパンニング皿
六角形をしたユニークな形状のパンニング皿です。
円形のパンニング皿と違って、角と直線的なリッフルが設けられているため、砂金を逃がしにくく引っかかりやすくなるように設計されています。
パンニング皿の原理と動かし方
以上のように、パンニング皿にはいろいろな種類や形状がありますが、砂金を選り分ける際の原理は同じであるため、その扱い方についてはほとんど共通しています。
パンニング皿で川の土砂から砂金を取り出すためには、次の3つのステップに沿って動かしていきます。
まず、パンニング皿に土砂を入れて水の中で回転させることでそれを液状化させます。
パンニング皿の中で土砂を液状化させることによって、土砂と砂金の比重の違いを利用して、その中でもっとも重い砂金をパンニング皿の底に落としていくわけです。
次に、この円運動をした後、今度はパンニング皿を左右に揺さぶるように動かしていきます。
パンニング皿を左右に揺さぶる水平運動を行うと、それによってパンニング皿の底から順に「砂金」「砂鉄」「土砂」という3つの層に分離することができます。
最後に、パンニング皿を水面に向かって傾け、一番上に溜まった不要な土砂を水中に流していきます。
円形のパンニング皿ではこのような3つの動作を繰り返すことによって土砂と砂金を分離していくという作業を行っていくわけですが、このパンニング皿の動かし方については、実際に指導をしてもらった経験がないとなかなか難しいところがあります。
以下の動画で実際のパンニング皿の動かし方を解説していますので、あわせてご参照ください。
パンニング皿の使い方
(画像をクリックで動画を再生)
動画の中で触れているように、パンニング皿を使って土砂を分離する作業にはある程度の技術的な熟練が必要だといえるでしょう。
ただ、私も長い間いろいろな種類のパンニング皿を使って砂金を採ってきましたが、あるときに次の写真のような四角いパンニング皿を使用してからは以上までに紹介してきた円形のパンニング皿を使うことはなくなってしまいました。
四角いパンニング皿(スクエアパン)
この四角いパンニング皿では、円形のパンニング皿で行っている3段階の動作をひとつの往復運動だけでまとめて行えることが最大のメリットだといえます。
円形のパンニング皿と同様、四角いパンニング皿でも土砂をパンニング皿に入れてそれを水中で液状化させるところは共通していますが、その後は水中に傾けて土砂を流し落とすだけで土砂と砂金の分離が可能となります。
これは四角いパンニング皿の縁までに設けられた細かい段差が、「砂金」「砂鉄」「土砂」という3つの層を形成する役割を果たしてくれるわけです。
以下の動画で四角いパンニング皿の使い方を説明していますので、土砂を往復運動をするだけで分離している様子をご覧ください。
角型パンニング皿の使い方
(画像をクリックで動画を再生)
この四角いパンニング皿では技術的な熟練がほとんど不要であるため、砂金採りをこれから始められる方にはこちらの四角いパンニング皿をおすすめしています。
また、四角いパンニング皿の知られざるメリットとして、砂金採りの作業をしていても他の人から見るとそれが何をしているのかが分からないという点が挙げられます。
川で砂金を採るという趣味も一般に広がっていくにしたがって、円形のパンニング皿を使っているとそこで砂金採りをしていることが他の人からすぐに分かってしまうというところがあります。
これについては、実際に写真を見て比較した方が分かりやすいでしょう。
以下の写真は、円形パンニング皿を使って砂金採りをしている風景を撮影したものですが、これを見るといかにも「ここで砂金採りをしている」という印象を持たれるのではないでしょうか。
通常のパンニング皿で砂金採りをしている様子
次に、以下の写真ではまったく同じ作業を四角いパンニング皿を使って行っている様子を写したものです。
四角いパンニング皿で砂金採りをしている様子
この様子を一見したところで、何の作業をしているのかがよく分からないのではないでしょうか。
四角いパンニング皿というものは一般的にほとんど知られていないため、まったく同じ作業をしていても他の人からは川でゴミ掃除かなにかをしているようにしか見えないわけです。
砂金採りも川遊びのレジャーとして少しずつ浸透してきてはいますが、場合によってはぱっと見の印象だけであらぬ誤解を受けたり、ネガティブな判断をされたりすることも残念ながらないとはいえないのが現状です。
そのためにも、ここに挙げたような余計なトラブルを起こさないための工夫をすることも必要になってくるといえるでしょう。
パンニング皿の変遷と砂金採りスキルの向上
今回は、いろいろなパンニング皿を取り上げてそれぞれの特長やレビューをしてみました。
私が砂金採りを始めてからすでに15年以上の歳月が流れていますが、これまで自分が使用してきたパンニング皿を改めて眺めてみると、その足跡や砂金採りをするための私自身の成長というものがそこによくあらわれているように感じられます。
今でこそ、これから砂金採りを始める初心者の人がどういうことに気をつければよいのかをすぐに示すことができるようになっていますが、それもひとえに私が実際にさまざまなパンニング皿を使ってみてそれらのメリットとデメリットを実感しながら比較してきたからこそだといえるでしょう。