土砂をより効率的に処理する――砂金掘り道具の活用
前項までで、みなさんが川で砂金を採集するためのポイントの見つけ方と砂金を含む土砂の集め方、さらに集めた土砂から砂金を取り出すための具体的方法について説明をしてきました。
砂金採りの経験を身につけてくると、次第により効率的に砂金を集める方法を求めるようになります。
今回は、砂金採りに慣れてきたみなさんに向けて砂金を含む土砂をより早く処理するためのいくつかの方法をご紹介していきます。
パンニング皿の種類を変更する
まずは、パンニング皿を別の種類のものに変えることで土砂の処理をより早くすることができます。
前項でもご紹介したように、砂金採りでは以下のような丸型のパンニング皿がもっともよく用いられています。
丸型のパンニング皿
ただ、この丸型のパンニング皿は使い方にある程度の慣れが必要であることや、土砂と砂金とを分類しているときにその端の部分から誤って砂金を流してしまいやすいという難点があります。
この丸型パンニング皿の難しい部分については以下の動画で解説をしています。
丸型パンニング皿の難点
(画像をクリックで動画を再生)
丸型のパンニング皿を使う場合にはその動かし方に気を使う必要があることと砂金が流れてしまうリスクを常に抱えているため、なかなか効率的に土砂が処理できないということになります。
この問題については、以下のような四角いパンニング皿(スクエアパン)を使用することで解決することができます。
四角いパンニング皿(スクエアパン)
ここに挙げた四角いパンニング皿のメリットとしては、円運動をせずに往復運動だけで土砂が処理できることと、パンニング皿の端にまで段差があることで重い鉱物を逃さずに留めておくことができるところです。
以下の動画では、四角いパンニング皿を実際に使用している様子とそのメリットについて説明をしています。
四角いパンニング皿のメリット(1)
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四角いパンニング皿のメリット(2)
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四角いパンニング皿を使用することで複雑な動きをする必要がなくなりますので、私も初心者の方にはこの四角いパンニング皿をおすすめしています。
このように、パンニング皿の種類を変えることで、より効率的に砂金を含む土砂を処理することが可能になります。
「スルースボックス」を使用する
次に、砂金を含む土砂を集めてそれを洗ったり泥を落としたりするときに、「スルースボックス」という砂金掘り専用の道具を使用するとパンニング皿を使う段階まで早く進めることができます。
スルースボックスとは具体的には以下のような外見をしており、川の水の中に沈めて使用します。
スルースボックス
スルースボックスの中央部分にはいくつかの段差が設けてあり、そこに重い鉱物が引っかかるようなしくみになっています。
スルースボックスの実際の設置の仕方や使い方について以下の動画で順に説明をしていますので、ご覧ください。
スルースボックスを設置する方法(1)
(画像をクリックで動画を再生)
スルースボックスを設置する方法(2)
(画像をクリックで動画を再生)
スルースボックスを以上のように川の水の中に設置すれば、後はその入口のところで土砂を洗浄していくだけで重い鉱物のみをスルースボックスの段差の部分に引っかけることができるわけです。
スルースボックスで土砂を処理する
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スルースボックスに溜まった土砂
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最後に、スルースボックスの段差の部分に引っかかった土砂を集めれば、パンニング皿で砂金を選り分ける段階まで進めることができます。
スルースボックスで処理した土砂を取り出す
(画像をクリックで動画を再生)
このように、スルースボックスを使用することで、とても効率的に砂金を含む土砂を処理することができるわけです。
現場の経験と道具の選定
今回取り上げた四角いパンニング皿とスルースボックスは、砂金採集をより効率的に行う際に威力を発揮する道具だといえます。
私自身も砂金採集に没頭する中で、より効率的に土砂を集めたりそれを処理したりするためのいろいろな道具を探し求めてきました。
その際、道具の良し悪しというものが作業効率に大きく関わってくることを実感してきたわけです。
とはいえ、いくら高価な道具を揃えても砂金を含む土砂を見つけるためには、みなさん自身の経験によるところが大きいことには変わりありませんし、実際のフィールドにおける失敗と成功体験の数々がみなさんの観察眼を養ってくれることにもつながっていきます。
砂金掘りの経験を積み重ねながら必要に応じていろいろな機材を試していくのも砂金掘りの魅力のひとつだといえます。