私たちの住む世界――今、あなたのいる場所
いよいよ地学の世界に入っていきますが、その導入としてまずは次のような問いかけからはじめていきましょう。
その問いとは、「今、あなたがいる場所、私たちのいる場所はどこですか?」というものです
あなたならこの問にどのように答えるでしょうか?
人によって色々な答えが出てくると思いますが、地学的な観点からこの問の答えを考えていきましょう。
「宇宙」という言葉の意味
私たちはどこに生まれて、どこで生きているでしょうか?
その答えとしては、まず、「地球」というのが当てはまるでしょう。
では、さらに話を進めて、この地球というのはどこにあるのでしょうか?
みなさんご存知の通り、地球の周りには「宇宙」という広大な空間が広がっています。
この宇宙という言葉が何を意味するものか、みなさんは知っていますか?
実は、宇宙という語句には、それぞれ次のような意味が含まれています。
ここに挙げたように、宇宙とは「時間」と「空間」というものの全体、すなわち、ありとあらゆるもののすべてを総称してあらわす言葉になります。
私たちはこの広大な宇宙という時間と空間の広がりの中で生きているということになり、当然ながらそこには地球以外にもさまざまな天体や惑星が含まれています。
では、その広大な宇宙のどの場所に、私たちの地球があるのでしょうか?
宇宙の中には「銀河系」というたくさんの星が渦巻状に集まった場所があります。
この銀河系の中にあるオリオンの腕と呼ばれる場所に私たちの住む地球のある「太陽系」が存在しています。
銀河系・オリオンの腕・太陽系
銀河系の全体像をあらわすと、以下の図のようになります。
図で見て分かるとおり、銀河系は渦巻状にたくさんの星々が集まっていることが見て取れます。
この渦巻になっている部分は「腕」(Arm/Spur)と呼ばれており、「いて腕」「ペルセウス腕」「たて・ケンタウルス腕」など、それぞれ代表する星座の名前が付けられています。
それで、私たちの住んでいる地球のある太陽系はどこにあるかというと、この図の中心の下の部分にある「オリオンの腕」(Orion Spur)の中に存在しています(図中の「Sun」と書かれた場所)。
なお、太陽系が含まれるこの銀河(天の川銀河)の大きさは、直径が約10万光年といわれています。
「光年」は天文分野において距離をあらわす単位で、たとえば1光年だと光の速さで動いて1年かかって進む距離のことをあらわしています。
この銀河系の大きさが約10万光年ですので、光の速さで動いても10万年かかるような大きさがあるということになるわけです。
また、宇宙にはこのような銀河が他にもいくつもあることが分かっています。
たとえば、地球から250万光年のところには有名な「アンドロメダ銀河」という渦巻銀河があり、直径が約22万光年あるとされています。
このアンドロメダ銀河は光の速さで移動したとしても250万年もかかってしまう場所にあるわけですが、これでも地球から比較的近いところにある銀河なのです。
このような銀河をいくつも含む宇宙というものがいかに広大無辺な大きさなのか、まさに時間と空間のすべてを集めた「宇宙」という言葉でないととても表現できないようなスケールであることを分かって頂けると思います。