基盤岩の底の土砂を集める――小型ポンプの活用

日本の河川で砂金を採るためには、とにもかくにも基盤岩の土砂を集めることが先決です。

ただ、実際に作業をやってみると分かるのですが、基盤岩の底にある土砂をすべて集めることが難しいパターンというものも出てきます。

今回は、基盤岩の底に溜まった土砂、特に水の中に沈んでいる土砂をどのように収集するのかについてご紹介していくことにしましょう。

基盤岩の底にある土砂を集める

基盤岩の底の土砂には砂金が含まれているわけですが、当然それを取りこぼしてしまうと本来採れたはずの砂金が取れないということになってしまいます。

そのため、川で砂金を採るためにはいかにその砂金を含む土砂を逃さずに集められるのかということがもっとも大きな課題となるわけです。

その際、基盤岩の隙間にある砂金を含む土砂をそこからかき出すことと、そのようにして溜まった土砂を効率よく集めるための工夫が必要となります。

私の場合、基盤岩の隙間の土砂をかき出すために、以下のような道具を使用しています。


基盤岩の隙間の土砂をかき出すツール

小型のバールやドライバーなど、岩の隙間の土砂を落とすためにいろいろと使ってみましたが、この中で私自身がもっとも活用しているものは、写真中央にある先の曲がったドライバーになります。

これはもともと長いドライバーの先端を直角に曲げることで、その先端を岩盤の隙間に入れられるようにしたものです。


基盤岩の隙間の土砂をかき出す

以上のように、岩盤の隙間にドライバーの先端を入れてかき出すことで、そこにある土砂をより効率よく取り出すことができるわけです。

水の中の砂金を集める

次に問題になるのは、水の中に砂金を含む土砂が沈んでしまう場合の対処方法です。

よくある状況としては、基盤岩の土砂を集めているときにそこに周囲から川の水が入ってくるパターンです。

水の中に沈んでしまった砂金については、とても小さいために手や指で集めることはできません。


水の中の土砂をポンプで集める(1)
(画像をクリックで動画を再生)

そのため、この砂金を含む土砂を集めるためには、以下のような小型のポンプを使う必要があるわけです。



小型ポンプで水の中の土砂を吸い取る

次の動画では、実際にこのポンプを使用して水の中の土砂を吸い取る方法について解説をしています。


水の中の土砂をポンプで集める(2)
(画像をクリックで動画を再生)

以上のように、ポンプを使って水の中の土砂を集めることで、砂金を逃さずに手に入れることができるのです。

このときに収集した土砂を洗浄してパンニング皿で砂金を土砂をより分けていくと、無事に以下のような砂金が採集できました。

いずれも粒の小さな砂金ですが、金は比重が大きいためにより深いところに入り込む性質があります。

ですので、基盤岩の底に入り込んだ土砂をより多く集めることができれば、その土砂に含まれた砂金を見つける確率を高めることができるというわけです。

砂金採りのための道具を工夫する

今回は、基盤岩の底に入り込んでいる土砂を集めるために、小型のポンプを使用する方法をご紹介しました。

私が使用しているポンプはホームセンターなどで手に入る市販品ですが、吸引力についてはやはりそれなりといったところです。

このポンプについてもより大きな吸引力を持つものを自作する人もいますので、工作が好きな人はそのような取り組み方や楽しみ方もできるといえるでしょう。

しかし、そこまでではなくとも、ポンプがあることによってそれまで自分が逃していたかもしれない砂金を確実に手に入れることができたことは、自分自身の中でのひとつの成長を実感するところだといえます。